2006年 10月 23日
![]() 先日、牛島 隆先生(熊本市健軍ご開業)から次のようなメールをいただきました. おつかれさまです 牛島です : (中略) : ところで、2006年7月号の歯界展望で興味ある記事を見つけました。 岡山大学の窪木教授らの文献なのですが 「日本人を対象とした口腔インプラント治療の臨床成績に関するSystematic Review」 というタイトルで、日本におけるインプラント治療の研究報告について検討したものです。 現在検索できる論文を調べたところ、きちんとした研究論文が75件 そのなかで研究デザインに不備があるものを除くと22件 その22件を岡山大学で精読し、インプラントの生存研究として適格基準を満たしているものが 17件だったそうです。 さらに追跡不能患者を除外せずに体系的レビューとして望ましいとされる手法をとっているものは わずか8件 その中にKDMのインプラントの生存率のデータ(河野ら)が入っていました。 その中でも臨床家による研究では一番最初に行なったものでした 全体をみても2番目にふるく、一番最初は北海道医療大学のデータが一年前に出ていましたが 論文は道歯会誌で、全国版としてはKDMが一番! フォローアップの期間とインプラント体総数は飛びぬけていました。 その他のデータがきちんとそろっている4文献とあわせて、統合したデータをだされていました。 この当時行なった生存分析は歯科の論文がなかったので、 統計解析の参考書を見ながらまとめたものだったので 多少の不安がありましたが、こうして大学のセンセイにお墨付きをもらえると 「ちゃんとやれてたんだ」とうれしい気持ちです。 : 2001年ですから今から5年も前になりますが、私たちの勉強会の一例会の演題としてやったものを、例会だけではもったいないと、インプラント学会で発表し、その後に歯界展望(写真右下)掲載させていただいたモノです.それまでは会の発展討論会で数年にわたり試行錯誤で行ってきた(途中で反対意見も多く頓挫した事もありました…)臨床統計でしたが、発表や投稿でやっと形にすることができ当時はそれなりに満足していましたが、我々素人がやったものが果たしてどんなものなのか?大学の先生方に陰で笑われているんじゃないないか?なんて自虐的に考えて事もありました. 歯界展望2000年2月号「臨床統計からみえてくるもの」の中にも書かせていただきましたが、臨床統計ではそれに費やす時間や労力の割には得るものは多くはありませんが、自分の関わった臨床から導き出された結果は「珠玉の一滴」に喩えたくなるほどの価値があるように思えます.今回の記事をみて幾分報われました. しかし、私はただデータをとるだけとっていつも”丸投げ”状態.ちゃんと中枢で情報処理、判断、指令を司る牛島先生がいるからできることなのです.この場を借りてあらためてお礼を言いたいと思います.
by minmin3315
| 2006-10-23 21:47
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